2023.12.25
仕事に対する「憧れ」とは?
人は、どんな時に特定の職業に「憧れ」を抱くのだろうか?
トップアスリートなどの華やかな世界を見た時。
広く知れ渡るカリスマの存在を知った時。
より多くのお金が手に入りそうな時。  
神業と言える技巧を目の当たりにした時。
人それぞれ憧れを抱くポイントは異なるものである。しかし、「憧れ」がその職業への入り口となることはよくあることだろう。
そして、そんな入り口の一つに、「働いている人の姿」はないだろうか。
キャビンアテンダント、ブライダル業界、カフェ店員。
詳細な仕事内容を知る前に、その姿への「憧れ」から入り、いつしか本気でその職業を目指し、やがて、その職業に従事していることに誇りを持つに至る・・・・そんな人もいるのではないか。
そんな人生を思い浮かべた時、私達は、「働いている人の姿」が夢や誇りへとつながりうるのではないかと考えてみたのである。
介護の現状とその先の光とは?
ひるがえって、介護の世界。
これまで、介護職員の姿、いわば「見た目」について、どこまで議論されてきただろうか。
少なくとも、制服については、先に例を挙げた職業ほどのこだわりはなく、強いて言えば、「色を決める」「素材を決める」くらいしか大きなポイントはなかったように思われる。いきおい、動きやすさや汚れの落ちやすさを重視した「ポロシャツ」か「ジャージ姿」で働く職員が、どこの施設でも当たり前の光景となっていることが少なくない。
また、近年では私服姿も増えてきたように思われる。三篠会でもいくつかの施設で私服を採用していた。ただ、見られることを意識した私服であれば、「程よい家庭感」が演出できるのだが、残念ながら私服という名の作業着になっているケースも一部ではあるが散見されていたのが実情であった。
純粋に介護の日常やスキルに関心がある人たちにはそれでも良いだろう。しかし、働くことにオシャレさや個性を求める人たちの想いを私達は見逃してきてはいないだろうか。
そこに、まだまだやり残された多くの課題があるような気がしてならないのである。
もちろん、介護の仕事において、動きやすさや汚れの落ちやすさは重要である。
しかし、例えば、オシャレな制服を身にまとう飲食業のスタッフは、身体的に動きが少ないのか?汚れはないのか?言うまでもなく、「否」である。
彼らは言う。「動きにくい制服は働きにくいです。でも、お客様に見られているサービス業ですから。」、、、、、、、、
我彼の違いをまざまざと見せ付けられている気がする。

日頃「ご利用者のために」と言っている私たちが、ご利用者に日頃どのように見られているかを考えているだろうか?作業着・・・とは言わないまでも、少なくともプライベートな時間の外出着としては絶対着用しないとする服装でお世話をされている・・・と感じた時、ご利用者の尊厳は傷つけられているのではないだろうか?

極端に窮屈な制服ではいけない。
しかし、「慣れ」で何とかなるレベルの動きにくさもあるかもしれない。
正しいケア技術の習得で気にならなくなるかもしれない。
ひょっとしたら、万に一つのリスクにこだわりすぎているかもしれない。
ほんの少しの努力と我慢で何とかなることがあるかもしれない。
これらを天秤にかけつつ、そして部分的にはリスクを認識しつつも、それでも、新しい価値を手にいれよう。
三篠会が取り組みはじめた、介護の見た目を変えるプロジェクト。
それが、DJ COBOである。
DJ COBOとは?
これまでの介護スタッフのイメージと言える「ポロシャツ」「ジャージ」。まずは、この常識を疑っていこう。
この想いを脱(Datsu)ジャージ(Jersey)と表現した上で、新しい制服はもちろん、時に身だしなみや髪形、小物、アクセントに至る細部にまでこだわり、新しい「世界観」を目指す取り組みを、いわば「ものづくり」のセンスを発揮する場所「工房(COBO)」として表現したのが・・・・

DJ COBO
(脱ジャージ工房)

法人を横断し、時に様々な施設の様々なスタッフが集まった。
その都度、従来の価値観「動きやすさ」に傾きそうになるメンバーだが、新しい価値観「オシャレなイメージの発信」を信じ、オンワードとも提携。カタログからチョイスする既製品ではなく完全フルオーダーでデザイン。
法人の各キャンパスを4つのカテゴリーに分類し、それぞれのコンセプトと検証の方向性を確認。
もちろん、時に「動きやすさ」や「洗濯のしやすさ」という現実の課題にも直面しつつも、介護の世界のイメージを変革するという当初の想いに少しでも近づけるために、
そして、いつか、私たちの職場からカリスマを誕生させるべく今も活動を継続中である。
これからの変革に乞うご期待。